Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)

アメリカ株

今や当たり前となったeコマースの先駆者。起業当初は「本」をネットで売ることから始めました。そんな企業が、

株価情報

出典:(Google Finance

Amazonの株価は直近一年間で、$85~$185で推移しております。2022年はロシアのウクライナ進行から始まり、コロナ禍で加速したインフレ抑制のための金利上昇等で、株価は右肩下がりです。

2022年7~9月の決算内容

  • 売上高
    1271億ドル(約18兆円)
  • 営業利益
    25億ドル(約3600億円)

次回の10月~12月期の売上予想や、営業利益がアナリストの予想する数字よりも弱かったことを受けて、株価はマイナスに反応しました。
市況が悪い中、最後の砦であったGAFAでさえもアメリカ景気後退の影響を受けている事が分かり、投資家心理を冷やす結果となりました。

事業別の売上(2021年7月~9月と比較)

EC内での直販売上(Amazonが仕入れて直接販売する売上)

売上は534億ドルと前年の7~9月と比較して、7%増加していました。しかし、有料会員向けのセール(プライムデー)を7月に開催した(2021年は6月)ことが増収の主な要因だったことから、実質的には横ばいの結果でした。

ちなみに、2022年1月~9月までの売上と2021年の同期間を比べると、

2021年が1560億ドルだったのに対して、今回2022年は1554億ドルと微減でした。

出店者からの手数料売上(Amazon内に出店する第三者からの手数料)

売上は286.6億ドルと、前年同月と比較して、18%ほどの増収。ただし、こちらも前述しました通り、2022年は7月にプライムデーがあったことを考えると、1~9月までの売上を比較する必要があります。
2022年1~9月までの売上は、813億ドルと2021年と比較して11.4%の伸びでしたので、出店者からの売上手数料は伸びていたようです。

ただし、こちらも注意が必要で、Amazonの決算書を見てみると、「shipping fees」という記載があり、こちらの売上には、船賃も含まれているようで、一概に増収とはいえないかもしれないです。

サブスクリプション(Amazonプライム等の会費)

売上は89億ドルと、前年同月と比較して、9.2%の増収。

Amazonプライムでは

①ビデオサービス

②オーディオブック

③音楽配信(AmazonMusic)

④配送サービス

等、もはや生活に欠かせないサービスとなっております。そんな生活インフラ的サービスを、米国では2022年2月にプライム料金を年間$119→$139(16.8%増)に引き上げておりますので、これを踏まえると、伸びとしては”イマイチ”なのかもしれません。

AWS(Amazon Web Service クラウドサービス)

売上は205.3億ドルと前年同月と比較して、27.4%の増収。

AWSは2006年にアマゾンが開始したクラウドサービスで、業界初のものでした。

ネットのデータ量が拡大する中で、この分野の成長率も毎年30~40%を超えるものとなっておりましたが、今回の決算で増収をしたものの、成長率が30%を割り込む結果となったのは痛手でした。

地域別で見る売上(2021年7月~9月と比較)

アメリカ(北米)

アメリカでの売上が788.4億米ドルと、前年同月比で20.2%の増収でした。

米国以外の地域

米国以外での売上は、277.2億米ドルで、前年同月比で―4.9%の減収となりました。

GAFAは世界各国でビジネスを展開している企業ですので、2022年の「ドル高」は相当業績に響いているようです。

対日本で見ても2022年だけで30%ほどドル高となっているため、売上地域が世界に広がっている企業にとっては逆風となりますね。

各分野別のライバル企業

EC VS ”Shopify”

事業別の売上でも見た通り、Amazonの「出店者からの手数料」は四半期の売上だけでも300億ドル近くあります。出店者にとってこの手数料は痛手です。そういった出店者に対して、「自社のサイト上で簡単にECを開設できるサービス」を展開しているのがカナダの企業”Shopify”です。
アマゾンから手数料を取られるくらいなら、自前でECを開設したほうが利益が取れる!と考える企業はショッピファイ経由でECを開設しているようです。

Amazonの過去の決算報告書を見てみると、

2017年1778億ドル
2018年2328億ドル
2019年2805億ドル
2020年3860億ドル
2021年4698億ドル
出典:Amazon.com

2019年頃より、ナイキやイケアなどの大手企業がAmazonより出店を撤退し、一時は大きなニュースになっていましたが、上図グラフをご覧いただければ分かります通り、Amazonには全く影響が及んでいないようです。

AWS VS ”Azure”・”Google Cloud”

アマゾンが展開するクラウドサービス”AWS”。クラウドサービスについて「言葉は聞いたことあるけどよくわからない」という方にちょこっと解説!

簡単に言う”ネット上のデータ保管庫”のようなものです。動画データや、画像データ等、従来の保存方法は⑴パソコンの中、⑵USBメモリ等の外部機器、等が主流でした。

このクラウドサービスが革新的なのが、「ネットさえ繋がっていれば、どこでもデータのやりとリをすることができる」というものです。現在では、銀行のデータや、企業のデータ等、自前でサーバーを用意するよりも費用が安くなるということで、大手企業も積極的に取り入れています。

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出典:Synergy Group

クラウドサービス分野は、
1位:Amazon
2位:Microsoft
3位:Google
と、この3社がシェアを争っております。さらに、この分野は、成長率が2桁以上記録しており、この分野が成長しているかどうか、が現在の株価には大きく影響を与えます。決算発表の際は、ぜひ注目して見たい項目の一つですね。

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